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副腎の病気:副腎腫瘍
   副腎腫瘍はホルモンを産生する機能性副腎腫瘍とホルモンを産生しない非機能性副腎腫瘍に大きく分けられます。
 機能性副腎腫瘍は産生するホルモンによって様々な症状を呈するため、摘出手術が必要となります。また、非機能性副腎腫瘍でも、腫瘍の大きさなどで悪性腫瘍の疑いがある場合は治療が勧められます。
 手術方法として、副腎を全部摘出する副腎摘除術が主に行われますが、部分的に腫瘍を取り除く副腎部分切除術が行われることもあります。副腎摘除術は、5mmから1cmの穴を3〜4ヵ所あけ、そこからカメラや鉗子等を入れてモニターを見ながら腫瘍を摘出する腹腔鏡下副腎摘除術が主流となっています。2022年4月にはロボット支援手術も保険適用となりました。これらの手術の利点として手術創が小さくて済み、出血や術後の疼痛が少なく、回復が早いことが挙げられます。一方、開放手術は腹腔鏡下手術やロボット支援手術では摘出が難しい副腎腫瘍が適応となります。具体的には大きな副腎腫瘍の場合や、開腹手術の既往があり高度の癒着が予想される場合などです。手術創が比較的大きくなるため、腹腔鏡手術やロボット支援手術に比べ術後疼痛が強く、回復が遅くなる傾向があります。


機能性副腎腫瘍

クッシング症候群

 コルチゾールというホルモンを過剰に産生する腫瘍が副腎にできる病気です。女性に多く、高血圧や糖尿病、肥満のほか、満月様の顔立ちや、毛深くなるなどの症状が出てくることがあります。手術により副腎を摘出した後、一時的にステロイドホルモンの補充が必要になります。

原発性アルドステロン症

 アルドステロンというホルモンが過剰に産生される腫瘍が副腎にできる病気です。アルドステロンは血圧を高くする作用があるため高血圧症の原因となります。高血圧症患者の5〜20%を占めるといわれています。また、アルドステロンにはカリウムという電解質を尿から排泄させる働きがあり、血中のカリウム値が低下することによって手足がしびれたりする症状がでることもあります。原発性アルドステロン症は、脳心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞)を起こす可能性が高くなります。

褐色細胞腫

 カテコールアミンというホルモンが過剰に産生されておこる病気です。動悸、頭痛などの症状、高血圧症や糖尿病などがみられます。時に高血圧クリーゼという、適切に治療されなければ致死的になる異常高血圧症を来すことがあります。また稀に悪性腫瘍(がん)であることがあります。

非機能性副腎腫瘍

 ホルモン産生の異常がない腫瘍です。基本的に治療は必要ありませんが、悪性腫瘍の可能性がある場合は治療が勧められます。
2024年9月更新
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