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副腎腫瘍
   副腎腫瘍は大きく分けて様々な副腎由来のホルモンを分泌するホルモン活性型副腎腫瘍とホルモンを分泌しないホルモン非活性型副腎腫瘍があります。
副腎腫瘍は大きさが5 cm未満の場合、ほとんどが良性腫瘍です。しかし、ホルモン活性型副腎腫瘍はその分泌するホルモンによって様々な症状を呈することより摘出手術の適応となります。
ホルモン非活性型副腎腫瘍の場合は経過観察をすることがありますが、時間の経過とともに腫瘍径が大きくなるものはがんの可能性があるため手術をお勧めすることがあります。どれくらいの大きさから手術を行うかといった明確な基準はありませんが、患者さんご本人の希望も含めて手術を行うかどうか考慮します。しかし5 cmを超える大きさの腫瘍は悪性の可能性を否定できませんので、手術をお勧めすることが多いのが現状です。

手術に関しては以下の方法があります。

1.腹腔鏡下副腎摘除術

2.腹腔鏡下副腎部分切除術

3.開放手術による副腎摘除術

1については内視鏡を用いて副腎と腫瘍を摘除する術式です。体幹に5mmから1cmの穴を3〜4ヵ所開けて、カメラや鉗子等を入れて、テレビモニターを見ながら腫瘍を剥離して摘出するという方法です。最後に一つの穴を2〜3cmに拡げて腫瘍を副腎といっしょに体外へ引き出します。利点として手術創が小さくて済み、出血や術後の疼痛が少なく、回復が早いことが挙げられます。欠点としては、手術操作が腹部の手術既往があると癒着のため手術時間が長時間にわたったり、手術困難になったりする可能性があること、腹部に空気をいれて膨らませて手術をするため、肺が押しつぶされて無気肺を生じたりすることなどがあげられます。また技術的に腹腔鏡手術を行うことが困難であることが想定される時や、大きな副腎腫瘍の場合は本術式の適応とならないことがあります。現在副腎腫瘍のほとんどの症例はこの方法で手術されています。また、3〜4cm程度の一つの創から手術を行う単孔式腹腔鏡下手術も一部の施設では行われています。

2については副腎腫瘍が比較的小さく正常副腎との境界が明確な場合や、両側副腎腫瘍の場合に適応となります。しかし、残存した副腎機能が十分である確証はなく、また腫瘍が再発する可能性が数パーセントから数十パーセント報告されているため、特別な理由がある患者さんにのみ行われる手術で一般的ではありません。合併症に関しては腹腔鏡下副腎摘除術と同様です。

3については腹腔鏡下副腎摘除術では摘出が難しい副腎腫瘍が適応となります。具体的には大きな副腎腫瘍の場合や、開腹手術の既往があり高度の癒着が予想される場合などです。手術創が比較的大きくなるため、腹腔鏡手術に比べ術後疼痛が強く、離床が遅くなる傾向があります。内視鏡手術同様に臓器損傷や出血を起こす可能性があります。

ホルモン活性型副腎腫瘍

クッシング症候群

コルチゾールというホルモンが過剰に分泌される腫瘍が副腎にできる疾患です。女性に多い疾患で、高血圧や糖尿病、肥満のほか、満月様の顔立ちや、毛深くなるなどの症状が出てくることがあります。手術により片方の副腎を摘出した後、ステロイドホルモンの内服補充が必要になることがあります。

原発性アルドステロン症

アルドステロンというホルモンが過剰に分泌される腫瘍が副腎にできる疾患です。アルドステロンは血圧を高くする作用を持っているため高血圧の原因となります。高血圧患者の5〜20%を占めるといわれており、ホルモン検査を行い診断します。また、アルドステロンにはカリウムという電解質を尿から排泄させる働きがあり、血中のカリウム値が低下することによって手足がしびれたりする症状がでることもあります。原発性アルドステロン症は、頑固な治療抵抗性高血圧を示し、高血圧が長期間持続することによって脳心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞)になる可能性を高めます。そのため、腫瘍の大きさが小さくても外科的な切除の適応になります。

褐色細胞腫

髄質由来の腫瘍からカテコールアミンというホルモンが過剰に分泌されておこる疾患です。動悸、頭痛などの症状、高血圧、糖尿病などがみられます。時に高血圧クリーゼという、適切に治療されなければ致死的になることもある異常高血圧症を来すことがあります。また稀に悪性腫瘍(がん)であることがあります。そのため原則的に外科的切除の適応になります。

ホルモン非活性型副腎腫瘍

ホルモン分泌の異常がない腫瘍のことです。全例が治療の対象となるわけではありません。ただ時間の経過とともに腫瘍径が大きくなるものは手術をお勧めすることがあります。また5 cmを超える大きさの腫瘍はがんの可能性を否定できませんから手術を強くお勧めします。
 
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